しろまるは不穏当

世界の片隅でのんのんと生きるおじさんのつぶやき.それでもいいから生きていこうね.

日々,忘れてゆきます

書かなくちゃいけない書類.書かなくちゃいけない
手紙.毎日いろいろな文章を書いているはずなのに
ペンを手に取ることはほんとうに少なくなりました.
漢字を忘れるのもつらいけど,手紙が疎遠になって
友人とのやりとりも減っていくのが淋しいのです.

その友人は断固として手書きにこだわり,文字学を
学びに研究生となったこともある筋金入りのアレです.
彼の文字は流麗で,心に歌を力強く語りかけてきます.
さまざまな書体を身につけることでどのような装丁も
思いのままというとてつもないひとです.最近やっと
携帯電話のメールをぽちぽち打つようになりましたが,
基本はすべて手書きの手紙という愛すべき人物です.

彼からの手紙が来ると,とてもうれしくてこちらも
返事を書かなくてはなあ,と思います.しかしそれは
忙しさにまぎれてしまい,用意した便箋は結局いつも
鞄の中で変な方向に折れて使えなくなってしまいます.
すべては自分のものぐさが原因なのですが.うちには
プリンタもないので,電子文字を家で印刷することも
ままなりません.不義理ばかりが続いてしまいます.

目の前の便利なにぎやかさに慣れてしまうと,もっと
大切なものを忘れてゆくのかもしれません.明日また
ぼくは便箋とペンを買うつもりです.封筒もちゃんと
用意してあります.あとは奮い立つだけ,のはずです.
誠実な気持ちもかたちにしないと伝わらないからねえ.