しろまるは不穏当

世界の片隅でのんのんと生きるおじさんのつぶやき.それでもいいから生きていこうね.

Das andere Klavier

ちょっとしんどいけど仕事には行くよ.
こちらの地域には台風は来てないけど
それなりに影響があるのか,なんだか
頭の芯がずっしりー.5分ほど遅刻だ.


今日は仕事を30分早退してコンサート.
宝塚ベガホールに無事に到着しました.
すごく不思議な音を出すピアニストが
いるから,ということでお誘い受けた
わけですが,まずパンフレットを拝読.
現在のイギリス式メカニックピアノで
出る音ではなく,ウィーン式の調整を
行なうことで全然違うタッチになると
いうことです.世間でよく言われてる
ピアノの「重い」タッチとはまったく
違う奏法を要求されるらしく,抵抗が
なくて軽やかに沈み,押している間は
音が減衰しないという特徴が出てきて
実に面白かった.実はこっそり密かに
スタインウェイもそういう調律をした
ことがあると暗に認めているそうです.


さて,ピアニスト領家幸さん登場です.
肩のずいぶんがっしりしたひとだなと
思ったのが第一印象です.ドイツ在住,
クラヴィーアタイプのピアノの研究を
ずっとやっているそうです.演奏開始.
確かにずっしりと鍵盤を押さえ付けて
弾いている.そしてその音には多くの
倍音が含まれていて,ポリフォニー
状態になっています.倍音が響くので
弾いている映像と聞こえて来る音とに
微妙に差が.そしてニュアンスが多彩.


一曲目はキラキラ星変奏曲,その次は
月光とおなじみのプログラムでしたが
実はそこからリスト三連打.あんまり
リストは知らないのですよ.波の上を
渡るパオラの聖フランチェスコを初聴.
あとは演奏会用練習曲2番と3番,んで
スペイン狂詩曲でした.知ってる曲も
まるで違うように聞こえます.そして
初めての曲は,次に通常のピアノ版を
聴いてもわかんないかもしれませんな.
単にぼくの文化度が低かったり見聞が
狭かったりするだけかもしれませんが.


アンコールはショパンのノクターンで.
やっぱり重くずーんと残る音での演奏.
「もうひとつのピアノ」とこの奏法と
調整をこれからも追求していきますと
強いメッセージを感じました.やはり
世界で活躍してるひとならではの強い
遺思を感じました.応援していこっと.


さて,帰りは文化水準もお値段もそう
高くない定食屋にてむさむさとごはん.
適当にいただいてさくりと帰りました.


明日は病院だー.いろいろ負けないで
進まなくてはいけない道がありますよ.