しろまるは不穏当

世界の片隅でのんのんと生きるおじさんのつぶやき.それでもいいから生きていこうね.

豪快な咳ができない

寝坊.ひたすら寝坊.昨晩寝る前の記憶がすっとび.これは
薬の副作用なのでしかたがないとする.風呂に入ろうとした
直後に寝たらしく,下着のまま部屋につっ伏していた模様.
シャワー浴びようかなと思ったが,今日は持っていくものが
あったのでそのまま服を着て帽子をかぶり財布と鍵を持って
ざくざく自転車を漕ぐ.今日は直接ではなくいったん駅まで
行ってから,自転車を停めてモノレールで病院へと出向く.

モノレールに載っている途中,さりげなく後頭部を叩く.
ちょうど傷のあたり.ガーゼがずれてないかな,ちゃんと
守ってくれてるかな,と確認するために.ぽむぽむ.…ん?
そーっと帽子を脱いでそーっと触れてみると.生.剥き出し.

どうやら昨夜風呂に入る前に絆創膏を剥がして,そのまま
意識が落ちたのではないかと推測される.しかしこれじゃ
いかんよな.まあ帽子でガードしてるから右や左の旦那様に
不快感を覚えさせることもなかろうと,帽子をかぶり直す.

病院に着いてこまごましたものを渡し,洗濯物を受け取る.
ついでに傷を見てもらうと,壊死した後の部分はずいぶん
よくなっていて,かさぶたとして再生しつつあるらしい.
全体的に髪の毛も生えてきだしてよきかなよきかなである.

同居のひとは喉そのものはよくなってきたものの,喉の
かたちを再生させようとして顎の筋肉が張ってしまって
とても痛いそうだ.しゃべるのもつらいし咳をするのも
しんどい.そういう目の前でぼくは先日の肺炎のツケを
払うべく,やたらと男らしい咳をする.顔をそむけて.
咳ひとつでもできる人間とできない人間とがいるのだ.
できない人間の前でできる人間がこれみよがしに物事を
やらかすのはよくないことだと思う.だから咳がひとつ
こぼれてしまうごとに,なんだか申し訳ない気分になる.

あまり長居すると疲れさせてしまうので早々に辞去する.